防府市

毛利氏庭園

明治維新後、旧長州藩主・毛利家が建てた本邸と庭園。場所の選定には井上馨らの助言があったとされ、着工完成までに約20年もの歳月を要した。国指定名勝、84,000㎡におよぶ庭園は、ひょうたん池を巡る回遊式の庭園で四季折々の景観が楽しめる。

壱の刻 旧長州藩主・毛利家のお庭

明治維新後、新たに創設された華族制度の最高位である公爵の地位を授かった旧長州藩主「毛利家」の名に相応しい邸宅庭園。当時の最高技術と贅を尽くした邸宅と庭園には毛利氏の威光を伺うことができます。
庭園は、広く開放的で壮大な景観が特徴。

弐の刻 お庭の役割

当時のお庭は、遊興など社交の場、馬や弓などの練習場、また散歩・散策を楽しむ憩いの空間でした。
敷地中央の「ひょうたん池」を回遊しながら鑑賞するよう造られており、途中に東屋や石橋を配するなど、とにかく広い空間をふんだんに演出しています。

参の刻 変化する景観

大名庭園の醍醐味といえば、広大な敷地を舞台に、次々と展開される変化に富んだ景観。路傍庭園のマツ並木・カエデ並木から始まり、海に浮かぶ島を連想させる前庭、そしてひょうたん池を中心とした内庭、散策路で見られる様々な景色は、まるでテーマパークのよう。

四の刻 邸宅×お庭

文明開化から約40年。伝統的な和風建築と最新技術が融合した邸宅は、鉄筋コンクリートなどの最新鋭の建材から自家発電まで当時最先端の設備を備えています。庭園にも高度な造園技術が注がれ、技術力を背景にした自然美の縮景ととらえると、邸宅2階から見下ろすお庭もまた違った眺めに感じられます。

伍の刻 四季が紡ぐ時空間

100年以上の時を経て、毛利氏庭園が織りなす四季折々の時空間は、いまも人々にとっての憩いであり続けています。時代を 超えて、なお人々の心と生活に寄り添う存在であることが、何にもかえがたい価値なのでしょう。

お庭データ

時代:
(明治~)大正時代
作庭:
佐久間金太郎(東京仙花園出身の造園師)
様式:
池泉回遊式(大名庭園)
場所:
防府市多々良