山口市

常栄寺雪舟庭

室町中期、守護大名・大内政弘の時代に妙喜寺(現:常栄寺)の庭として雪舟が作庭したとされる。本堂北側に、手前から枯山水、中央に鶴亀蓬莱を主題とした池泉が広がり奥には龍門瀑の壮大な石組が配される。雪舟の水墨画のような山水画風の池泉回遊式庭園。

壱の刻 雪舟のお庭

山口県内には、室町時代に大内氏の遣明船で明へ渡航した雪舟が、帰国後も山口に滞在したため、雪舟作と伝わる庭がいくつも残っており「常栄寺」はその代表作ともいわれています。
画僧・雪舟の描く「山水画」の構図や画法が、平面から立体となって庭に織り込まれています。

弐の刻 禅ZEN

「禅の庭」に秘められた寓意とは...?
枯山水や、庭を構成する山林・池泉・石などの要素には、それぞれに込められた想いがあります。例えば、「石」。昔の日本には、石には神が宿るという信仰があり、石は庭づくりにおいて欠かせない要素。島や滝、船などに見立て、さまざまな風景を表現しています。
秘められた寓意を想像することで、見えないものが見えたり、聞こえない音が聞いえてきたり、新しい発見が生まれます。

参の刻 見立て

鯉が滝を登り龍になるという「登竜門」の故事にちなんだ石組「龍門瀑」。
枯滝石組に向かう鯉魚石に、悟りを開かんとする修行僧の姿を重ねます。

池には、亀や鶴を表現した石組も。

四の刻 個々の美

お気に入りのポイント、「個々の美」を探してみましょう。
細部に目を向けたり、お庭空間と自分の関係性を感じたり、時間の移ろいを感じたり、お庭の個性も楽しみ方も自分次第です。

伍の刻 心ゆくまま

じっくり近くを、ぼーっと遠くを、座りながらあるいは歩きながら、己の心の感じるままに風景を楽しむ、これこそがお庭めぐりの極意。

お庭データ

時代:
室町時代
作庭:
雪舟
様式:
池泉回遊式、枯山水
場所:
山口市宮野下